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朗読たんぽぽ~ことばの綿毛を飛ばそう~Ⅱ

“朗読たんぽぽ”パートⅡには夏目漱石「三四郎」「夢十夜」、芥川龍之介「雛」「蜘蛛の糸」、樋口一葉「にごりえ」、山川方夫「夏の葬列」「歪んだ窓」、山本周五郎「鼓くらべ」、清少納言「枕草子」、与謝野晶子「君死にたもうことなかれ」などを掲載。

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鴨長明「方丈記」その8


 長明さんは風流の人なのだと、つくづくそう思いながら読んだ『方丈記』その8。「芸はこれつたなけれども」などと謙遜していますが、なかなかどうして、琴も琵琶も結構な腕前だったとか・・・。
 ところでファイルのお終いのほうに「源都督」という名前が出てきますが、これは百人一首の「夕されば門田の稲葉おとづれて 芦のまろやに秋風ぞ吹く」で知られる公卿・源経信のこと。著名な歌人にして琵琶の達人でもあった彼は、長明さんの歌の先生のお祖父様にあたる人物でもあったようです。
 それにつけても長明さん、――ひとり調べ ひとり詠じて みづから情(こころ)をやしなふばかりなり――だなんて、何とまろやかな心の持ちようでしょうか。憧れます、こういうの。(←その7
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鴨長明「方丈記」その7


 『方丈記』その7。今回のファイルの出だしの言葉は、「わが身」と書かれている本も多いようですが、“朗読たんぽぽ”では「わがかみ」(=我が過去)のほうを採用してみました。写本に写本を重ねて伝わるものはこういった違いも多く、どちらが正しい元の原稿なのか、いつもとても悩みます。
 さて、このファイルの半ばで長明さんは「~もとより妻子なければ」と言っていますが、実はかなりの早婚で、19歳で父を失くした時、何故か妻子とも別れてしまったのだそうです。「縁かけて」という表現には、きっとこのことも含まれているのでしょう。「をりをりのたがいめ」に全く出遭わない人生などあろうはずもありません・・・。(←その6その8→)

鴨長明「方丈記」その6


 「恐れの中に恐るべかりけるは、ただ地震なりけり」と長明さんが言う「元暦の大地震」の述懐に始まる“その6”。ちなみに今回のファイルで『方丈記』は前半終了となります。
 著者としてはここまで、立場上、言えなかったことや、詳らかにはしたくない出来事もあったに違いありません。それでも独特の切り口で時代を写し、いよいよ次のファイルからは彼の住まい“方丈”が登場。長明さんの晩年の暮らしが綴られます。(←その5その7→)

鴨長明「方丈記」その5


 『方丈記』その5は「養和の飢饉」です。今回のファイルはコロナによる3度目の緊急事態宣言が出る中で作りました。そのせいか長明さんが描写する“心憂きわざ”の数々が、いつにも増してぐいぐい迫ってくるような・・・。
 自然災害には抗いようのない部分も大いにありますが、時代が進むにつれ、それに人災が重なることが増えたように思えます。人類が決して賢くなる方向にのみ進化しているのではない、ということなんでしょうねぇ。う~む、頑張ろう人類!!(←その4その6→)

鴨長明「方丈記」その4


  『方丈記』その4は「福原遷都」です。ここには清盛の“き”も出てきませんが、京都から今の神戸に都を移そうとした清盛の挫折が民の側から描かれています。歴史の授業では帝だの大臣だの権力者側のことばかり教わりますが、巷の様子がわかると俄然、歴史に血が通い始めるというか・・・。
 ところで長明さんは、ついでがあって訪ねた福原の様子を「南は海近くて下れり。波の音つねにかまびすしく汐風ことにはげし」と表現しています。清盛は宋との貿易で富を築いた人ですから、海に開かれたその福原から、もっと広い新しい世界へ乗り出してゆく夢を持っていたのでしょうね、きっと。しかし結局、「清盛の医者は裸で脈をとり」という熱病で死んでしまう。まさに「ゆく河の流れは絶えずして~~」なのだなぁと思わずにはいられません。(←その3その5→)

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プロフィール

森下潤子

Author:森下潤子
 2008年、ドキドキしながら始めた“朗読たんぽぽ”。何かに突き動かされるように次々と録音・UPを繰り返すうち、3年足らずで容量が満杯に……。
 やむなく2010年、この“パートⅡ”開設に至りました。その際YouTubeにファイルを置く方式に切り替え、一部、背景動画を付けた作品もあります。パートⅠでお世話になっていたケロログの消滅で、自らの管理の甘さから作品リストまで失い……いやはや。
 なお掲載作品は著作権問題をクリアしているものばかりです。という次第で古典も少々ありますし、許可を得て新しいもの(森下一仁「マイナスワン」「スケスケの友」など)も入っています。あなたのお好きな作品が一つでも見つかりますように!!

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