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朗読たんぽぽ~ことばの綿毛を飛ばそう~Ⅱ

ケロログ掲載の“朗読たんぽぽ”パートⅠ復活を祈りつつ、パートⅡでは清少納言「枕草子」連載を開始。収録作品は他に夏目漱石「三四郎」、芥川龍之介「雛」「蜘蛛の糸」、山川方夫「夏の葬列」「歪んだ窓」、山本周五郎「鼓くらべ」など。

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樋口一葉 「にごりえ」 1-1


  “朗読たんぽぽ”で樋口一葉さんの作品を取り上げるのは、実は3回目なのですが、切なくも消滅したパートⅠ掲載分のため、ここパートⅡでは今回の「にごりえ」が初の挑戦です。短編とはいえ、呑気な“たんぽぽ”のこと、年を跨いでの連載になりそうです。どうぞ気長に、のんびりとお付き合いくださいませ。
 さて今回のファイル、背景動画のちょうど真ん中あたりに鏑木清方さんが描かれた“お力”の絵を掲載してみました。とっても綺麗なので是非ご覧くださいね。  
 
 
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与謝野晶子「君死にたもうことなかれ」


  「戦争だけはしたくない、させたくない」と心に思いつつ、特に表明もせずにいた数年前、茨木のり子さんの「私が一番きれいだった時」を朗読する機会に恵まれました。ステージを終えてロビーに出ると、詩に共感、共鳴したらしい見知らぬ人とバッタリ! えっ、もしかしてこれは「戦争NO」を赤の他人と共有できたということ・・・? 嬉しかったぁ!!
 しかしその茨木さんの著作権が切れるのはまだまだ先で、ブログへの掲載はNG。そこで今夏は、与謝野晶子さんの「君死にたもうことなかれ」に挑戦したのですが・・・圧倒されました。
 時代の空気を読みもせず、その空気にのまれもせず、ズバズバと本質をつく晶子さん。ここまで真っすぐ心情を吐露する彼女なら、似た内容の手紙を実際に戦地の弟に出していてもおかしくない、そう思わせる迫力で迫ってくるのです。
 よし、この詩は弟さんの耳元に話しかけるように読んでみよう。そのアプローチが吉だったのか凶だったのか・・・込み上げるものに何度ねじ伏せられたことか。

清少納言「枕草子」第277段、第280段


 雷鳴三度で即、天皇を守るべく雷の陣を敷いたという平安時代。戸外での警護についた人たちは、何度も怖い目に遭ったに違いありません。大将や中・少将は弓矢を持っての待機だったそうですが、いったいどういうタイミングで何に向かって矢を放ったのやら? いやはや、科学の時代に生きる私たちには何とも・・・??
 さて第280段は高校の試験に出たことで私には印象深い段です。中宮・定子の寵愛を受けた清少納言が、鼻高々に自らの教養と機転を自慢した段との見方が多いようですが、彼女が一番自慢したかったのは、私には、中宮のように思えてなりません。定子の豊かな知識とお茶目な人柄を、世間に向かって声を大にして伝えたかったのではないか、と。お仕えしている女房たちも、少納言の手柄を妬むどころか「次は私も」と、自分磨きのモチベーションにしている。定子組は、ほら、こんなにレベルが高いのよ!という思いで、彼女は筆を執ったのではなかろうか、と。(←第211段|←第1段

清少納言「枕草子」第211、214、215段


 三十六歌仙の一人で、『後撰集』の選者も務めた歌人・清原元輔を父にもつ清少納言は、そのDNAもあってか歌の才もなかなかのものだったようです。ところが何故か寡作で、しかも女房時代には“詠歌御免”まで願い出たというのですから、もったいない話。
 このことについて萩谷朴先生は、古歌に通暁し過ぎていると古歌の用語表現がつい口を衝いて出たりするため、剽窃まがいになるのを恐れたのではないか、と解説されていました。清少納言本人には、父の名誉を汚してはいけない、というプレッシャーもあったようですね。
 しかし今回のファイルで取り上げた段など、短く鮮やかに情景を切り取るお手並みはさすがで、読みながらふと、詠歌に挑みたくなった人も結構いらっしゃるのでは・・・?(←第171段第277、280段→)

清少納言「枕草子」第171段


 中宮・定子の女房として輝かしいキャリアを誇った清少納言ですが、その晩年については、「粗末な家にひとり」などと、早い話が“零落”を思わせる記述がなされています。しかしその“あばら家”こそが、本人が171段に言うところの理想の家・お気に入りのマイホーム、だったのかもしれませんよね!?
 もっともこの171段、如何様にも読める気がして、私は正直、清少納言の真意を掴みあぐねています。「女ひとり、ピカピカの家に住んでいたら、後ろ盾は?などと痛くもない腹を・・・」的な深読みもできますし、反対に「完璧な鎧を纏っていると虫もつきませんことよ」的な忠告と取れなくもない。いや、「女たちよ、キメすぎるべからず!」と、ほんの軽口をたたいただけ?? (←第71、第74段第211、214、215段→)

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プロフィール

森下潤子

Author:森下潤子
 2008年、ドキドキしながら始めた“朗読たんぽぽ”。何かに突き動かされるように次々と録音・UPを繰り返すうち、3年足らずで容量が満杯に……。
 やむなく2010年、この“パートⅡ”開設に至りました。その際YouTubeにファイルを置く方式に切り替えたことから、こちらのファイルには背景動画を付けておりますが、朗読するのは同じ私で、作品への取り組み方も同じです。よろしかったら、どうぞあちらもこちらも分け隔てなくお訪ねくださいませ。掲載作品の検索はこちら→【作品リスト】からどうぞ。しかしパートⅠがお世話になっているケロログは消滅なのでしょうか? とすればリストも消え……、どうすべきなのか、名案はまだ浮かばず悩んでおります。

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